3月3日、ドコモ、au、ソフトバンクについで、
4つ目のキャリアとなった楽天モバイルが自社回線の新しいプランを発表。
電話もインターネットも使い放題 2,980円のワンプラン。
世界初だそうです。しかも1年間は300万人が無料だとか・・・。
やはり、資金力のある大手はすごいな~と思います。
発表されたプランを検証しつつ、ペンギンモバイルと比較してみました。
楽天モバイル 2,980円 「 UN-LIMIT 」の具体的な内容は?
楽天モバイルのプランの具体的な内容を知るには
現在の楽天モバイルの基地局がどのくらい整備されているか
また、どのような通信機器が必要かを理解しておく必要があるようです。
楽天モバイルの基地局の整備はどうなっている?
2020年3月現在、楽天モバイルの 自社回線の提供エリアは、
東京、神奈川、千葉、埼玉、愛知、大阪、京都、神戸と大都市圏。
下図は、東京のサービスエリアの一部ですが、濃いピンクが楽天回線エリア、
薄いピンクがKDDI回線のエリア。
楽天回線だけで賄えるエリアが本当に少ないことがわかります。
出典 楽天モバイルホームページ
エリア内でも、建物内や地下鉄の駅構内までは整備されていないようです。
自社回線がないところでは、自動的にKDDI(au)の電波に切り替わります。
総務省に提出している建設計画より前倒しで基地局を 整備していますが、
全国にいきわたるのにはかなり時間がかかりそうです。
楽天モバイルの新プランでは ⅰphone が使えない?
楽天モバイルの自社回線では、残念ながらiphoneが使えません。
というか、検索すると、機種によりネットが使える iphone はあるようですが、
無料通話や無料メッセージのアプリ「 Rakuten Link」 が
iosに対応していないから使えないのだそうです。
では、アンドロイドはどうでしょう。
アンドロイドは、
楽天とKDDI(au) 両方の電波の受信が必要
楽天モバイルが割り当てられたのは 1.7GHz帯(Band 3)
楽天回線がない場合はKDDI(au)回線に切り替わるので
両方の電波が受信できるスマホならOKなはずなのですが
楽天モバイルのHPには次のような注意書きがありました。
「 スマートフォンのご準備はお済みでしょうか?
楽天モバイルSIMは、楽天回線対応製品以外での動作保証はしておりません。
楽天モバイルSIMとあわせて製品のご購入をお願いいたします。 」
対応製品とは、今回の自社回線に合わせて発売した製品と、
これまで楽天モバイルが格安スマホとして販売していた製品です。
それ以外の製品の場合は、自己責任ですよということが書いてありました。
大事をとれば、スマホを買い替えるのかも知れません。
楽天回線用に スマホを 準備するなら、
1年目の料金無料で、2,980円×12か月=35,760円。
新しく、ミドルクラスのスマホ購入の代金分にはなりそうです。
新プラン 2,980円 「 UN-LIMIT 」電話もインターネットも使い放題は楽天回線の時だけ
電話もインターネットも上限なしで使えるのは楽天回線利用の時だけ。
au回線に切り替わると、
インターネットは月2GBまではプランに含まれていますが、
これを超えると 1GBあたり500円が追加になり、
電話は30秒20円になってしまいます。
また、1年間は300万台の料金が無料ですが、
無料なのは 2980円の部分だけなので、
KDDI回線の通話や、2GBを超えたインターネット代、
オプション代などは有料となるようです。
楽天モバイルの「UN – LIMIT」では、KDDI回線の利用が多いほど増える
つまり、楽天モバイルの「UN-LIMIT」の料金は、
1年目無料、2年目以降2980円が基本料金で、
KDDI回線を利用するほど増えていくということになります。
楽天回線とau回線のどちらを使っているのか現状では表示されないのは悩ましいでいね。
知らないうちに切り替わり、
知らないうちにスマホ代がかさんでいくこともありそうです。
楽天モバイルとペンギンモバイルの料金比較
楽天モバイルの「UN-LIMIT」とペンギンモバイルの料金比較をしてみました。
楽天モバイルは、自社回線利用部分とau回線の2GBまでは
1年間は無料、2年目以降は2980円と一定ですから
これを基本料金として、KDDI回線の使用状況でどう変わっていくのか、
1年目と2年目以降の2パターンで試算し、下表にまとめました。
比較するための条件設定は次のとおりです。
【ペンギンモバイル】
すべての音声プランに15分かけ放題(1250円)をつけ、15分を超える通話はない。
キャンペーンを適用しない通常料金
※ 2020年3~5月は初月無料、2か月目と3か月目が各100円のキャンペーン
をやっています。
【楽天モバイル】
1年目は、
KDDI回線 2GB を含む基本料金が0円
KDDI回線 2GB を超えると1GBごとに500円
KDDI回線 の通話(30秒20円)が 1か月15分(1日あたり30秒)
2年目は、
KDDI回線 2GB を含む基本料金が2980円
KDDI回線 2GB を超えると1GBごとに500円
KDDI回線 の通話(30秒20円)が 1か月15分(1日あたり30秒)
※ 楽天モバイルのKDDI回線の電話を月15分として試算しているので、
月30分なら倍の1200円、45分なら1800円と増えることにご注意ください。
表が小さくて分かりずらいのですが、
すべてが「UN-LIMIT」の中で納まれば、
確かに楽天モバイルはかなり安い印象です。
実際はどうなのか、
KDDIの利用が、1ギガの場合と10ギガの場合で見て見ました。
表の一番左の数字がギガ数です。
1ギガの場合
【ペンギンモバイル】
3.6ギガまでのプラン1600円+かけ放題1250円の2850円
【 楽天モバイル 】
1年目
KDDI回線の1GBはプラン内なので
0円 +通話延べ15分/月600円 = 600円
2年目
2980円 +通話延べ15分/月600円 = 3580円
10ギガの場合
【ペンギンモバイル】
12ギガまでのプラン2980円+かけ放題1250円 = 4230円
【 楽天モバイル 】
1年目
KDDI回線の10GBは8ギガを追加するので
0円 + 8×500円 +通話延べ15分/月600円 = 4600円
2年目
2980円 + 8×500円 +通話延べ15分/月600円 = 7580円
楽天モバイルの 「UN-LIMIT」 にメリットが大きい人は?
楽天モバイルの「UN-LIMIT」のメリットが大きいのは
都会のど真ん中の楽天回線エリアで1日中過ごしている人。
電話やネットの使用が多いヘビーユーザーほど、そのメリットは大きくなります。
楽天回線内でも、WIFI環境が整っていたり、
元々、1~3ギガ程度で間に合っている方には、かえって割高になりそうです。
ちなみにペンギンモバイルは、3.6GBに15分かけ放題で2850円。
電話はめったに使わない人なら、3.6GBかけ放題なしで1600円です。
KDDI回線エリアと楽天回線エリアを行き来している人にとってのメリットは?
郊外から通勤、通学しているなど、KDDI回線エリアの滞在時間がある場合をみてみます。
先に書いたように、楽天回線とKDDI回線のどちらとつながっているのかわからないので、現時点では、不安を持ちながら使うことになると思います。
「心配せずに使いたい」方にとっては、現時点ではその条件が整っているとは言えません。
2年目以降は、
基本料金の2980円自体、ペンギンモバイルの3.6GB+15分かけ放題の2850円を上回ります。
KDDI回線での通話が入っただけで料金が上がってしまうので、現状でのメリットはあまりないと感じます。
つい長電話してしまう方、移動中はずっと動画を見ているという方などは
高額請求につながるリスクもありますね。
まとめ
1 楽天回線のエリアは、今のところは大都会のど真ん中だけ。
「UN-LIMIT」 は、楽天回線のエリアが広がってはじめて効果がある。
現在は、大都市圏以外にメリットはなさそう。
2 300万人1年間無料は楽天回線とKDDI2GBの2980円部分のみ、それ以外の電話、ネット、オプションは有料。
楽天回線、KDDI回線の移行はユーザーには分からないため、KDDI 回線の時には 電話やネットを 使わないような対処はできず、高額請求のリスクがある。
3 楽天のアプリはアンドロイド用しかないため、iphone が使えない。アンドロイドでも買い替えが必要になる可能性。
2980円1年間無料(35760円)は、新しいミドルクラスのスマホ機種代くらいの額になる。
以上より、現段階では、
楽天回線エリアに行動が限定されている一部の方以外には、
楽天回線にするメリットは薄く、今後の状況を見極めることが必要のようです。
今後、技術開発が一層進み、社会も変化していきます。
ライフラインの一つとなった通信の在り方も変化していくと思います。
そして、今後も各社がしのぎをけずり、
魅力的なプランを展開するでしょう。
でも、結局は、自分がどのように通信を使っているのか、
使いたいのかということに尽きるように思います。
まずは自分を知るところから・・・かな?
ペンギンモバイルはユーザーファーストを続けています。
最後まで、お読みいただきありがとうございました。
(2020.3.11 一部加筆、修正)
( 2020.4.2 一部修正 )
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